伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

ABBEY ROADを聞きながらこのブログを書いている。

「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵側に立つ」ということです。

そう、2009年のエルサレム賞で、村上春樹が語った言葉だ。(原文は英語だが)

私たちは皆、多かれ少なかれ、卵なのです。
私たちはそれぞれ、壊れやすい殻の中に入った、個性的でかけがえのない心を持っているのです。
わたしもそうですし、皆さんもそうなのです。
そして、私たちは皆、程度の差こそあれ、高く、堅固な壁に直面しています。
その壁の名前は「システム」です。
「システム」は私たちを守る存在と思われていますが、時に自己増殖し、私たちを殺し、さらに私たちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させ始めるのです。

引用元はこちら


読みながら思わず、村上春樹のスピーチを想起したのは、私だけではないだろう。
別に、作風が似ているとは思わない。
ただ、底流にあるものが近いのなら、それは同じように、
人の胸を打つ作品なのかもしれない。
面白かった。