辻仁成「サヨナライツカ」

映画の宣伝が騒がしい作品。
なんとなく騒がれている間は読みたくない、という
極めてひねくれた人間なのだが、たまには素直にブームに乗ってみた。
そうそう、同じ理由で「ベンジャミン・バトン」もまだ読んでいない。
フィッツジェラルドは読んでみたいのだけど。


さて、話を戻して。
この人の作品は両極端に分かれるように思う。
変態的に深い闇が拡がる作品もあれば、
今作のようにあっさりした文章で愛を描くこともある。
同一人物なんだろうかと疑いたくなるほどだ。


ストーリーはある意味で平坦なのだが、
文章が薄味なので、読者の頭の中で想像が広がっていく。


僕は死ぬとき、愛したことを思い出すのだろうか?