忌野清志郎 追悼

正直、よく知らない人だった。
よくわからんアイシャドウ入れて、独特な声で歌う、自転車乗り、としか。
同じ自転車乗りとして、ある意味で親近感を感じつつも、
でも彼のツーリングなどより、はるかに強烈な旅をしてきている、という自負もあって、
敬遠していた、というのも正直な気持ちだ。


彼の死を機に、You Tubeで彼のパフォーマンスを見て、
初めて彼の真価に触れた、と言うと遅すぎる、と叱責されるかもしれない。
でも、改めて、惜しい人を亡くしたものだ。


結局、オリジナルでヒットと言える楽曲はそんなに多くないことを考えれば、
彼自身はどちらかと言うと、作詞家でありパフォーマーであったのだろう。
デイドリーム・ビリーバー、ラブミー・テンダー、イマジン、
あるいは自転車ショー歌を含めたっていいのだが、
その日本語の歌詞を当てはめるセンスは、間違いなく超越している。


彼はパフォーマーだから、どこまでだって理想を歌えば良い。
現実をつかさどる我々は、彼の語る理想に心を寄せつつ、狭間でバランスを取る。
音楽ってのはそういうものなんだろう。
音楽的な理想も、あるいは語るべき思想も、何も無いまま、
大量消費的に生み出されていく音楽を思うと、やりきれない。
RIP